原水禁系大会に自民パネリスト

'00/8/6

 原水禁系の被爆55周年原水爆禁止世界大会広島大会は五日、広島 市内七カ所で分科会を開いた。分科会の一つで、中区の広島県民文 化センターであった公開討論会は、原水禁としては初めて自民党衆 院議員をパネリストに招き「核廃絶に向けた日本の役割」をテーマ に話し合った。

 パネリストは自民の河野太郎、民主の岡田克也、社民の金子哲夫 の三衆院議員と、外務省の佐野利男軍備管理軍縮課長、非核自治体 全国草の根ネットワークの西田勝代表の五人。原水禁側が核問題に 関心の深い衆院議員に参加を要請した。

 「自民党内ただ一人の脱原発派」と言い切る河野衆院議員は「原 発も兵器になり得る。プルトニウム政策は転換すべきだ」と主張。 「日本は核兵器の先制不使用を米国に主張すべきだ」「冷戦も終わ ったのに外務省は過去の文書をつまびらかにしていない」などと政 府の姿勢を批判した。

 先の核拡散防止条約(NPT)再検討会議について、西田代表は 「日本政府が調停に消極的だった」と指摘。佐野課長が「事実誤 認。会議の成否を握る米国の態度をわれわれが変えた」と反論する 一幕もあった。

 ▽原水協系大会にはNZ代表ら

 広島市で開催中の原水協系の原水爆禁止二〇〇〇年世界大会は五 日、核軍縮進展に向け強い影響力を発揮している新アジェンダ連合 のニュージーランドやスウェーデンの代表らを交えた討論会を開 催。核兵器廃絶のため自治体や非政府組織(NGO)が果たすべき 役割などをテーマに意見を交換した。

 ニュージーランド国会のグレアム・ケリー外交防衛通商委員長は 「わが国が非核を掲げる政府になったのは、核廃絶を求める市民が 自治体を動かしたのがきっかけ」と紹介。非核自治体国際会議事務 局のケン・ワイアット委員長も「核兵器のない世界の実現には、各 地域の草の根運動が極めて重要」と国や世界を動かす世論の力を強 調した。

 在日スウェーデン大使館のセシリア・ルースストロムルイン一等 書記官は「NGOは、政府と意見交換を」と連携による国際的発信 力の強化を呼び掛けた。

【写真説明】原水禁系の公開討論会に参加した左から河野氏、岡田氏、金子氏(広島市中区の広島県民文化センター)


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