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祇園新道沿いの被爆クスノキ衰弱 '06/7/6

 ▽保存対策など官民で協議へ

 爆心地から約二・一キロ離れた広島市中区白島北町、国道54号祇園新道の被爆クスノキ十二本が、衰弱し始めていることが五日、樹木医の調べで分かった。管理する国土交通省広島国道事務所(南区)が近く肥料を与えるなどの対策に着手。官民で検討協議会をつくって今後の管理のあり方を探ることを決めた。(桜井邦彦)

 台風シーズンを前に同事務所が依頼し、樹木医の溝口幸平太さん(69)と堀口力さん(61)が診断した。クスノキは高さ二十〜八メートル、幹回り三・二二〜一・二七メートルの十二本。五段階に分けた健全度判定では、二番目に悪い「著しく不良」が二本、続いて良くない「不良」が四本、その次の「やや不良」が六本だった。

 木によって症状は異なるが、枯れ枝が多く、幹や枝が腐り始めた木もあった。根元付近から伸びた枝「ひこばえ」が多かったり、クマザサが根元に茂ったりして栄養が行き渡りづらくなっている。

 祇園新道は緑豊かな街路を目指す緑陰道路に指定されており、同事務所は交通に支障がある場合を除いて剪定(せんてい)などを控えてきた。肥料も二、三年は与えていない。

 同事務所は八月末までに、肥料をまいて枯れ枝やひこばえを剪定。延長八・五キロの新道にある街路樹千四百〜千五百本を含めた管理構想をまとめるため、樹木医や沿線住民の参加も得て検討協議会をつくり、クスノキの保存策も協議する。

【写真説明】広島国道事務所の職員らに、被爆クスノキの状態を説明する溝口さん(左から2人目)と堀口さん(同4人目)


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