釈迦の国の暴挙許せぬ/カンボジアの大僧正

'98/5/14

 カンボジアの仏教指導者マハ・ゴーサナンダ大僧正(68)が十三 日、広島市中区の原爆資料館を見学した。人権や軍縮、環境問題な どの功労者に贈られる庭野平和賞受賞のため来日し、広島を訪れ た。

 黄褐色のけさを身に付けたゴーサナンダ氏は原爆慰霊碑に献花し た後、元原爆資料館長の高橋昭博さん(66)の案内で資料館を見学。 熱線で溶けた仏像の前では、立ち止まって手を合わせた。見学後 「被爆者の大きな苦悩を感じ、原爆は決して作ってはならない、と 教えてもらった」と感想を述べた。

 また、インドが十一日に強行した地下核実験に対し「釈迦(しゃ か)とマハトマ・ガンジーが生まれた国。平和のために存在する国 であるべきで、決して新たな兵器を作るための国であってはならな い」と批判した。

 平和賞は立正佼成会が設立した庭野平和財団(東京)が毎年贈っ ている。ゴーサナンダ師はカンボジアの内戦に苦しむ人たちのため に寺院を建て、法の巡礼と呼ばれる平和行進を始めるなど、非暴力 の平和活動が認められた。


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