劣化ウラン弾薬きょう数百発放置 沖縄米軍払い下げ

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民間業者の資材置き場に放置された、米軍の劣化ウラン弾の薬きょう(31日、沖縄県西原町小那覇)

  沖縄県西原町の資材置き場に、使用済みの劣化ウラン弾とみられ る米軍機関砲弾の薬きょうが数百発以上放置されていることが三十 一日、分かった。払い下げ品の取扱業者が六、七年前、米軍から 「鉄くず」として購入したもので、米軍のずさんな管理体制が浮き 彫りとなった。

 沖縄県基地対策課は「劣化ウラン弾は放射能の人体への影響が懸 念されており、民間に流出しているとすれば問題だ」として、事実 確認を急いでいる。

 また、在沖縄米海兵隊も「事実関係を調査中」と話している。

 見つかったのは、ドラム缶に詰められた米軍二五ミリ機関砲弾の薬 きょう。大きさはいずれも直径約四センチ、長さ約十四センチの円筒形で、 胴体部分に「URANIUM(ウラニウム)」などと書かれてい た。

 沖縄では一九九五年末から九六年にかけ、米海兵隊のAV8Bハ リアー攻撃機が鳥島射爆撃場に千五百二十発の劣化ウラン弾を誤っ て発射。住民らの抗議を受け、在日米大使館は外務省に「米海兵隊 の劣化ウラン弾はすべて国外に撤去した」と通知していた。

 しかし、沖縄の米空軍嘉手納基地司令官は今月二十四日、嘉手納 弾薬庫に劣化ウラン弾を保管していることを記者団に公表し、「米 空軍も劣化ウラン弾を国外に撤去すべきだ」と抗議の声が上がって いる。

 ▽ウランの有無 沖縄県調査へ

 沖縄県西原町の資材置き場で、使用済みの劣化ウラン弾とみられ る米軍機関砲弾の薬きょう数百発が見つかった問題で、県の親川盛 一知事公室長は三十一日午後、「薬きょうにウランの残留物が残っ ていないか、詳細に調べる必要がある」と述べ、西原町や那覇防衛 施設局と協議しながら調査する考えを明らかにした。

 また、在沖縄米海兵隊に対し、いつ、どの訓練で使用されたもの かを確認するとともに、流出ルートを調べ管理を徹底するよう求め た。

【写真説明】民間業者の資材置き場に放置された、米軍の劣化ウラン弾の薬きょう(31日、沖縄県西原町小那覇)


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