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知られざるヒバクシャ 劣化ウラン弾の実態

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分断の国 忍び寄る放射能

 一九九九年三月二十四日から七十八日間続いた北大西洋条約機構(NATO)軍によるユーゴスラビア空爆で、米空軍は対戦車用の劣化ウラン弾を使った。九一年の湾岸戦争、九五年のボスニア紛争に次ぐ三度目の放射能兵器の実戦使用は、空爆時から指摘されていた。だが、NATOが国連のコフィ・アナン事務総長あての手紙で「三〇ミリ砲弾、約31,000個を使用した」と正式に認めたのは、今年二月のことである。分断が続く現地を訪ねると、NATOが明かした地域には含まれないセルビア南部にも投下されていた。健康や環境への影響が懸念されるが、コソボ自治州のアルバニア系住民は、多数の劣化ウラン弾が民家のそばなどに投下された、その事実さえほとんど知らなかった。
(田城 明、写真も)
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