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核なき世界への鍵

[核なき世界への鍵] 「被爆者から力」 ICANメンバー 13人がメッセージ

 今年のノーベル平和賞に決まった非政府組織(NGO)核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN(アイキャン))の中心メンバーや協力者、加盟団体代表たち9カ国の13人が10日の授賞式を前に、中国新聞にメッセージを寄せた。受賞につながった7月の核兵器禁止条約の制定について、被爆者の貢献をたたえるとともに、条約の発効と実効性の確保に向けた努力を誓う。

 若い活動家たちが自国で行政や政治に戦略的に働き掛け、国連での条約交渉会議でも各国の外交官に食い込んでいった取り組みを振り返った。

 核兵器廃絶を訴える被爆者の思いを世界に発信してきたICANのメンバーたちは「被爆者から力をもらっている」などとも強調。ICANの「顔」として体験証言を重ねる広島市南区出身でカナダに暮らす被爆者、サーロー節子さん(85)が代表して授賞式に登壇するのを喜ぶ。

 創設時の代表でオーストラリアの医師ティルマン・ラフ氏は「条約制定は歴史的だが、課題は山積」と指摘した。日本政府が米国の核抑止力に依存し条約に背を向けている現状も踏まえ、日本と広島の市民からの働き掛けを期待する声も相次いだ。(金崎由美、水川恭輔)

 特集は https://www.hiroshimapeacemedia.jp/blog/?p=78843から読めます。

(2017年12月3日朝刊掲載)

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