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　福山市御幸町のホロコースト記念館が、開館２５周年を記念したＤＶＤを製作した。タイトルは「平和のバトン―アンネ・フランクの形見のバラ」。子どもたちにユダヤ人大虐殺を知ってもらい、平和のために行動するきっかけにしてほしいとの願いを込める。

　映像は１８分。世界各国から同館に寄贈された展示品を紹介しながら、「アンネの日記」の作者アンネ・フランクの生い立ちやホロコーストの史実を解説する。アンネの父、故オットー・フランクさんから贈られたバラを育てている活動なども紹介している。

　同館は、牧師の大塚信館長（７１）がオットーさんと出会ったことをきっかけに開館し、これまでに延べ１８万人が来場。ＤＶＤは地元の財団やボランティア団体に協力を依頼し、８月末に完成した。

　市内の小中学校に贈るほか、１枚３００円で販売する。授業でも活用してもらうため、小中学生や一般向けの教材プリントも作った。大塚館長は「ＤＶＤをきっかけに来館し、平和を伝えるために寄贈された遺品などに触れ、１５０万人の子どもが命を奪われた事実を考えてほしい」と話す。（湯浅梨奈）

（２０２０年９月２１日朝刊掲載）