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[#輪になれ広島] 被爆者コーラス 反戦の調べ 1日「アオギリの歌」など18曲

願い込め表現 オンラインで届ける

 被爆者たち9人でつくるコーラスグループ「ひまわり」は10月1日午後6時半から、被爆75年と反戦をテーマにしたオンラインコンサートを開く。当初は観客を入れて8月の開催を予定したが、新型コロナウイルスの影響で変更。動画投稿サイト「ユーチューブ」で生配信する。

 約1時間半のコンサートでは、「原爆を許すまじ」「アオギリの歌」「ひろしま平和の歌」など18曲を披露する。ひまわりが所属するミュージカル団体「コーラス・ピープル」代表の新田佳則さん(65)=中区=が指導し、月2回の練習を重ねてきた。

 メンバーは70~90代。戦中戦後の厳しい時代を過ごし、歌に込める思いもそれぞれだ。国近京子さん(79)=同=は3歳の時に広島駅の近くで被爆。肺がんなどを患い、闘病しながら練習に励む。「原爆を忘れてはいけないとの思いと復興した広島、戦後を生きた子どもの明るさを表現したい」と力を込める。

 2018年の西日本豪雨で安芸区の自宅が半壊した井原武文さん(78)=中区=は、近所の男性ががれきに挟まれて亡くなった。「落ち込んだが、仲間と歌うことで前向きになった。生かされたと思い、命の大切さを伝えるためにも心を込めて歌いたい」と話す。

 コーラス・ピープルのホームページに視聴のためのリンクを張る。問い合わせはコーラス・ピープル☎082(243)5795。(寺本菜摘)

(2020年9月29日朝刊掲載)

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