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平和文化の発信広げて 学生ら広島市長と車座談義

 広島市の松井一実市長が市民と対話する「市政車座談義」が28日、中区であった。「平和文化の振興」をテーマに市内や市出身の大学生4人と意見交換。何げない日常に平和を見いだし、音楽や動画発信の文化活動を通じて共感の輪を広げる意義を語り合った。

 被爆ピアノのコンサートなどを企画した広島大4年の岩本理沙さん(22)は「広島の若者でも平和への興味関心に差がある。平和の問題は現在進行形で未来につながる。ハードルを低く、誰もが関われることが大切になる」と話した。

 エリザベト音楽大4年の大咲拓人さん(21)はドイツでの原爆展や演奏会に参加した経験を踏まえ「音楽を通じ、言語や国の壁を越えて平和の思いを共有できる」と語った。

 車座談義は2011年8月に始めて20回目。松井市長は「皆さんの日常生活や楽しみを壊すのが原爆であり戦争。身近な平和の大切さを訴えつつ、被爆地ヒロシマが掲げる理想も語り、共通認識を世界に広げることが重要だ」と強調。若者の活動などを支えるため、被爆の実態を伝える被爆建物や資料などの保存にさらに力を入れる考えを示した。(久保田剛)

(2020年9月29日朝刊掲載)

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