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名誉館長の亡き父語る 大和ミュージアム15周年シンポ 阿川佐和子さんが講演

 広島県呉市の大和ミュージアム開館15周年を記念したシンポジウムが24日、同市中央の呉信用金庫ホールであった。自治総合センターと実行委員会の主催で、市内外から応募した約800人が耳を傾けた。

 名誉館長を務めた作家の故阿川弘之さんの長女で、エッセイストの阿川佐和子さんが「父を語る」の題で基調講演。旧海軍の文化を愛した弘之さんは、家庭内でも規律を重んじ厳格だったと、数々のエピソードを紹介した。「今も時々夢に出てくるが、𠮟る父しか出てこない」と打ち明け、会場の笑いを誘った。

 続くトークショーで佐和子さんの相手を務めた戸高一成館長は、弘之さんに名誉館長就任を頼みに行った際の思い出を披露。「私のような者でよろしゅうごさいますか」と丁重に言われ、恐縮したという。

 パネル討論では戸高館長、造船に詳しい大和裕幸東京大名誉教授、原爆資料館(広島市中区)の滝川卓男館長の3人が、所蔵資料のデジタル化や今後の博物館が果たすべき役割などについて意見を交わした。(仁科裕成)

(2020年10月25日朝刊掲載)

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