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「回天」搭乗員ら145人追悼 周南・大津島 コロナで式典縮小

 旧日本軍の人間魚雷「回天」の訓練基地があった山口県周南市大津島で8日、搭乗員たちの追悼式があった。今年は新型コロナウイルスの感染を防ぐため規模を大幅に縮小。回天顕彰会のメンバーたち約15人が参列し、若くして命を落とした145人の霊を慰めた。

 式は回天記念館そばの回天碑前であった。参列者は「平和祈念の鐘」の音に続いて黙とうした後、白菊を順番に手向けた。遺族の姿はなく、回天太鼓や詩吟の披露もなかった。

 1944年のこの日、回天の「菊水隊」が同島の基地から初めて出撃し、西太平洋のウルシー環礁で米軍の給油艦ミシシネワを撃沈。同艦の乗組員の息子で昨年の追悼式に参列したマイケル・メアさん(66)=ウィスコンシン州=からのメッセージも披露された。

 顕彰会の原田茂会長(82)は「高齢化が進み、来島が難しくなる遺族も少なくない。次回は例年通りの開催ができれば」と話していた。追悼式の様子はDVDなどに収録され後日、遺族に配布される。(村上昭徳)

(2020年11月10日朝刊掲載)

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