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修学旅行生に被爆体験語る 岩国市被害者の会 山田さん 宇部の児童に平和を訴え

 岩国市原爆被害者の会会長の山田英子さん(86)が、宇部市の黒石小6年生105人に被爆当時の体験を岩国市総合体育館で語った。新型コロナウイルスの影響で修学旅行先を広島市から変更した同小に依頼され、平和の尊さを訴えた。(有岡英俊)

 山田さんは、体験を基に作った紙芝居をスクリーンに映し出して話し始めた。疎開先だった広島県河内村(現広島市佐伯区)での暮らしぶりのほか、原爆投下時に見えたきのこ雲や、広島から焼け焦げた遺体が運ばれてきた様子を説明。「なぜ戦争が起こるのか、歴史を勉強してほしい。若い人たちに平和への願いを託します」と結んだ。児童たちは熱心にメモを取り、原爆投下時の詳しい状況を質問していた。

 児童たちは山田さんから証言を聞いた後、平和集会を開いた。「二度と戦争が起こらないよう尽くすことを誓います」と声をそろえ、歌も披露した。

 同小は例年、原爆や戦争について学校で学び、修学旅行で広島市中区の原爆資料館を訪れている。今年は新型コロナの影響で岩国市など県内に変更した。藤田哲平君(11)は「親元を離れ疎開していた人たちも日常が奪われた。戦争のむごさを感じた」と受け止めていた。

(2020年11月30日朝刊掲載)

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