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健診記録 被爆2世に冊子 広島市作成へ

 広島市は10日、被爆2世の健康診断結果を記録する小冊子を2021年度にも作る方針を明らかにした。被爆者団体や被爆2世団体が作成を要望する中、国は今年8月に小冊子のひな型を作る考えを示していた。

 広島、長崎両市と47都道府県は、国からの委託で年1回の被爆2世健診を希望者に無料で行っている。広島市では19年度、6518人が受診した。

 この日の市議会一般質問で阪谷幸春・保健医療担当局長は「小冊子の発行は健診の継続的な受診を促進し、健康不安の解消の一助となる」と強調。国が20年度中にも示すひな型を踏まえ、検討を進めているとした。

 2世健診の記録表は山口県などが独自に作っているが、広島市は「国の責任においてやるべきだ」として作っていなかった。被爆者団体にも国の対応を求める声があり、加藤勝信厚生労働相(当時)は今年8月の「被爆者代表から要望を聞く会」で、小冊子のひな型を自治体に示す考えを述べていた。(水川恭輔)

(2020年12月11日朝刊掲載)

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