×

ニュース

「級友亡くした8・6」 朗読劇で 松江・西尾さんの体験 小中生ら演じる

 米国が広島市に原爆を投下した8月6日を前に、13歳の時原爆で同級生223人を亡くした松江市の西尾幸子さん(89)の戦争体験を伝える朗読劇が2日、同市西津田の市総合文化センターであった。新日本婦人の会松江支部の朗読サークルのメンバーと小中学生計11人が朗読し、児童たち約150人が聞き入った。

 広島第一高等女学校の1年生だった西尾さんは、原爆投下前に母の実家がある島根県に疎開。当時、建物疎開に出ていた同級生を亡くした。劇では基町高(広島市中区)の生徒が描いた絵などに合わせ、やけどを負いながら己斐国民学校(現己斐小、西区)に逃げる同級生たちの様子、大好きな友達「ゆりこちゃん」の死などを表現した。

 「うち1人で島根の田舎に行くんよ」。疎開に出る西尾さん役を演じた松江四中の1年黒川芽依さん(12)は「原爆で友達を失った悲しさなど、小さい子どもに伝わってほしい」と思いを込めた。もんぺ姿で戦時中の生活を伝えた西尾さんは「亡くなった同級生に核兵器のない世界を贈りたい。みなさんが思いを語り継いでいってくれてうれしい」と話した。(寺本菜摘)

(2021年8月3日朝刊掲載)

年別アーカイブ