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島根2号機 安全審査申請 ベント設備 5~6月完成

 中国電力は25日、島根原子力発電所2号機(松江市鹿島町、出力82万キロワット)の再稼働に向け、新しい規制基準に適合するかを確認する安全審査を原子力規制委員会に申請した。中国地方で初。再稼働の時期は未定としている。

 中電の清水希茂副社長が東京都内にある規制委事務局の原子力規制庁で、同庁の山形浩史安全規制管理官に申請書を手渡した。清水副社長は取材に対し、「審査に耐えられる充実した申請書。審査で指摘があれば的確に対応したい」と述べた。

 規制委の田中俊一委員長はこの日の会見で、島根2号機の審査終了時期について「現時点で分からない」と述べた。審査が先行する他の14基の原発で終了のめどが立っていないことを理由に挙げた。

 中電の申請書は施設の耐震性や津波対策など、新基準に沿って中電が進める安全工事の内容を盛り込み、約4千ページに及ぶ。立地する島根県と松江市が24日、申請を容認した。

 また清水副社長は、事故時に放射性物質を薄めて放出するフィルター付き排気(ベント)設備の完成が来年5~6月になると明らかにした。ほぼ完成している3号機についても「書類をできるだけ早く仕上げて申請したい」とした。

 島根2号機は福島第1と同じ沸騰水型の原発。同型で申請済みなのは東京電力の柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)だけ。関西電力などが持つ加圧水型と比べ、ベント設備の即時設置が義務づけられるなど厳しい対策が課せられる。事故時の対応拠点となる免震重要棟など、主な工事は来年9月までに終える。(山本和明)

原発の安全審査
 原発を再稼働させるのに必要な審査。福島第1原発事故を受けて発足した原子力規制委員会が担当する。事故を踏まえ、地震や津波対策などを強化した新たな規制基準に適合しなければならない。7月の新基準の施行後、全国5電力が計14基を申請していた。

(2013年12月26日朝刊掲載)

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