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禎子さんの素顔 世界へ 故大倉さん手記を英訳

■記者 増田咲子

 被爆して白血病を患い、12歳で亡くなった佐々木禎子さんの素顔をつづった故大倉記代(きよ)さんの手記が英訳出版された。生前の大倉さんと親しかった英語非常勤講師の宮本慶子さん(59)=広島市佐伯区=が翻訳した。

 広島で被爆した大倉さんは1955年、禎子さんが亡くなる直前の約3カ月を同じ病室で過ごした。お見舞いに折り鶴をもらったのを機に夢中になって鶴を折り始めた禎子さんの姿など当時の様子を手記にまとめ、2005年に「想(おも)い出のサダコ」として刊行した。

 2008年に大倉さんは死去。「サダコの素顔を世界に伝えたい」との遺志をくんだ知人たちが協力して手記の英訳準備を進めた。出版にこぎ着けた宮本さんは「戦争で犠牲になる子どもがいなくなるよう願って訳した」。広島平和文化センターのスティーブン・リーパー理事長が監訳した。

 「メモリーズ・オブ・サダコ」の題でB6判変型、64ページ。840円。よも出版Tel0467(46)1335。

(2010年12月15日朝刊掲載)

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