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24人に被爆者手帳 観音国民学校救護の4年生 基準緩和受け交付

■記者 金崎由美

 被爆者の救護に従事し、自らも被爆したと訴える観音国民学校(現五日市観音小、広島市佐伯区)に通っていた24人に、一度は却下された被爆者健康手帳が交付されたことが15日、分かった。24人はいずれも当時4年生。昨年11月に審査基準が緩和されたことで申請した全員が認められた。

 同校は、原爆投下後に救護所となり、児童たちも被爆者のガーゼを取り換える作業などに従事した。

 24人は2007年10月、広島市と広島県に手帳交付を申請。当時の審査基準の「1日10人以上、救護・看護を行った」ことが確認できないとして約1年後に相次ぎ却下された。

 ところが昨年3月、同様の「救護被爆」をめぐる広島地裁の訴訟で市の却下が不当とされ、市が敗訴。市と県は昨年11月に基準を緩和し、救護所に「相応の時間」いたと確認できれば救護被爆と認定するよう改めた。

 この基準緩和を受け、当時4年生だった24人にも3月から10月に手帳が順次、交付された。支援してきた「佐伯区黒い雨の会」の高東征二事務局長(69)は「同様に救護被爆した人たちの励みになる」と評価している。

(2010年12月16日朝刊掲載)

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