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被爆ピアノ 魂の旋律 中区でコンサート 胎内被爆の好井さん

■記者 村田拓也

 広島市中心部の民家で被爆したピアノを使ったコンサートが25日、中区の市青少年センターであった。胎内被爆したジャズピアニスト好井一條さん(64)=本名敏彦、香川県坂出市=の演奏を、約250人が楽しんだ。

 好井さんはあいさつで自身の生い立ちを紹介。クリスマスにちなみ「星に願いを」「スターダスト」など5曲を奏でた。調律師の矢川光則さん(58)=安佐南区=が、爆心地から1・8キロの中区千田町の民家で被爆したピアノについて説明した。

 好井さんは2008年3月、矢川さんが修復した被爆ピアノを初めて演奏した。以来、2人が連携したコンサートは約50回を数える。好井さんは「たくさんの人が亡くなった広島で生き残ったピアニストとして、被爆ピアノの演奏は使命だ」と話す。

 環境問題がテーマの講演もあった。収益は、コンサートの開催資金や環境活動の支援金に充てる。

(2010年12月26日朝刊掲載)

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