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広島で来夏 国連軍縮会議 市、為政者の参加提案

 被爆70年の来年に、第25回国連軍縮会議が広島市で開かれることが正式に決まった。市が17日発表した。8月26~28日の3日間で、各国の外交官や研究者たち約100人が出席し、核軍縮や不拡散の方策を討議する見込み。市は国連に対して為政者の参加も提案しており、「核兵器なき世界」への機運を高める機会にしたい考えだ。

 市によると、8日に国連から開催決定の通知書が届いた。通知書は来年が被爆70年で、国連の創立70年にも当たるとし「記念すべき年の広島開催は重要な節目となる」と強調。会議の成功に向けた密接な連携を求めている。一方、市は国連に対し、核兵器廃絶へ影響力がある各国のリーダーの参加を要望。「外務省を通じ、(提案への)前向きな感触を得ている」としている。

 市は県、経済界と共に実行委員会をつくる予定。原爆資料館(中区)の見学、被爆者の体験証言などのプログラムも構え、核軍縮に向けた機運を盛り上げる。市平和推進課は「被爆の実態に触れ、核兵器廃絶への決意を新たにする場としてほしい」と期待する。原則、市民も傍聴できるという。

 会議は国連軍縮部と国連アジア太平洋平和軍縮センターがほぼ毎年、日本で開催。広島市では1992、94、96年に続き、4回目となる。昨年9月、岸田文雄外相(広島1区)が広島開催の検討を表明したのを受け、松井一実市長が為政者の出席を前提にした誘致を表明。松井市長と湯崎英彦知事が連名で、ことし10月に国連へ開催要請書を提出していた。(田中美千子)

国連軍縮会議
 1989年、当時の竹下登首相の提案で国連が京都市で初開催した。以降、日本各地でほぼ毎年開いている。各国の外交官、専門家たちが個人の立場で参加し、核軍縮や不拡散を話し合う。直近では2013年1月、静岡市であった。会場費、出席者の宿泊費などの地元負担金が必要。例年は約4千万円かかり、開催地の県と市が折半している。

(2014年12月18日朝刊掲載)

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