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規制委、島根3号機視察 内部構造学ぶ 鳥取知事は抗議文

 原子力規制委員会は18日、建設中の中国電力島根原子力発電所3号機(松江市鹿島町)を視察した。再稼働の前提となる審査を進めている2号機を19日に調査するのに合わせ、稼働後では確認しにくい原発内部の構造を学ぶのが目的という。福島第1原発事故を受け発足した規制委が、島根原発を視察するのは初めて。

 更田豊志委員長代理に、規制委事務局の原子力規制庁職員23人が同行。中電電源事業本部部長の岩崎昭正執行役員たちの案内で原子炉圧力容器や圧力抑制プールなど計7カ所を見て回った。

 一方、事故に備える原発30キロ圏の鳥取県の平井伸治知事は、審査申請前の原発を視察した点を問題視。「住民の安全を第一に考えるべきだ。先回りして効率的に審査を進めたいとするのなら、周辺自治体の軽視だ」と反発し、この日規制委へ抗議文を提出した。

 更田氏は視察後、目的は「職員の教育・研修」と強調。周辺自治体への説明より「職員の技術的能力を高める価値を重く考えた」とした。

 3号機は、国の設置許可を得て中電が2005年12月に着工。施設はほぼ完成した。中電が稼働に向け検討している審査の申請について、更田氏は「既に許可を得ているもの(3号機)の、変更申請を出すという意味では他の炉と変わらない」とし、既設原発と同様に扱う考えを示した。(樋口浩二、川崎崇史)

(2014年12月19日朝刊掲載)

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