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ノグチの欄干映える 平和大橋 広島市 歩道橋デザイン案公表

 広島市は25日、中区の元安川に架かる平和大橋北側に新設する歩道橋のデザイン案を、有識者たちでつくる市都市デザインアドバイザー会議(座長・岡河貢広島大大学院准教授)で示した。彫刻家イサム・ノグチ(1904~88年)が設計した平和大橋の欄干と調和するよう、歩道橋は落ち着いた色合いで、透明の欄干にした。

 長さ86メートル、幅5・7メートルの歩道橋のうち、北側の歩行者用レーン(幅3・5メートル)はモスグリーンのコンクリート製ブロック、南側の自転車用レーン(2・0メートル)はグレーのアスファルトで舗装。北側だけに設ける欄干は高さ1・1メートルの透明の強化ガラスを用い、アルミ製支柱を2メートル間隔で立てる。

 会議には建築や美術の専門家たち7人が出席。「ノグチの欄干を生かすため、歩道橋の欄干をもっとシンプルに」「ノグチの欄干を安全に見られるように自転車レーンをなくしては」など異論が相次いだ。

 市は意見を踏まえ、橋桁の設置工事に間に合うよう、2016年度までにデザインを決める予定。道路計画課は「平和大橋との調和、交通の安全面を踏まえて練り直したい」とした。

 平和大橋は52年に完成。幅15メートルで、南北両側にある歩道は幅1・8メートルと狭く、朝夕を中心に混雑が激しい。市は先月、歩道橋の新設に着工。年明けから鉄筋の橋台建設を本格化させ、18年度の完成を目指す。その後、平和大橋の北側歩道をなくし車道を広げる。(川手寿志)

(2014年12月26日朝刊掲載)

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