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平和公園 海外要人の訪問が減少 震災で中止も

 2011年に平和記念公園(広島市中区)を訪れた海外の要人は62人で、昨年の71人から減少したことが市の集計で分かった。東日本大震災や福島第1原発事故が海外でも大きく報じられ、来日中止が相次いだ。

 8月6日の平和記念式典の参列や原爆資料館見学などで訪問した元首や国会議長、閣僚、駐日大使、主な国際機関のトップを集計した。元首はゼロで、議長はインド、南アフリカなど5人。閣僚はポーランド、ウルグアイなど6人で、駐日大使は51人だった。

 3月11日の震災後、同月中に広島訪問を予定したアフガニスタン内務相、ブルガリア国会議長など4件がキャンセルされた。ほかにも調整段階で中止になったケースもあった。

 年度ベースでは、08年度56人、09年度57人、10年度70人と右肩上がりで増えている。11年度は12月末時点で56人。集計を始めた06年度以降で初めて減少に転じる可能性が出ている。

 市国際交流課の薬師寺保行課長は「訪問者数は夏ごろから持ち直しており、年度末には60人台に乗るのでは」と説明。市は外務省に海外要人の被爆地訪問を働きかけるよう要請を続けており、「訪日を機に被爆地へ立ち寄るのが定着してきた。来年も多くの要人に被爆の実態を見てもらいたい」と期待する。(金崎由美)

(2011年12月29日朝刊掲載)

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