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親子で学び 紡ぐ平和 福山の船井さんと長女木奈美さん 被爆伝承へ研修/戦史調べ発表

 福山市三之丸町のパート船井真奈美さん(51)と、長女で英数学館中3年の木奈美さん(15)が、親子で平和学習を続けている。真奈美さんは広島市が養成する被爆体験伝承者の研修に参加。木奈美さんは福山市の年間講座「ふくやまピース・ラボ」で活動している。(加納亜弥)

 昨年7、8月に福山市人権平和資料館が開いた市民向け連続講座「ふくやまピース・ナビ」に2人で参加したのがきっかけ。5回の講座で被爆者の体験を聴き、福山空襲の戦跡巡りなどもした。

 真奈美さんは広島市中区出身。「平和教育で広島の被爆などを学んだが、戦争の影が福山にも残っていることを講座で知って驚いた」と振り返る。

 広島市主催の被爆体験伝承者の研修は昨年10月から参加。3年かけて被爆者の証言を受け継ぐ。早ければ2017年度から、被爆者に代わって修学旅行生たちにヒロシマの体験を伝えていく役割を担う。

 木奈美さんは昨夏の講座後、「より深く学びたいとの思いが強まった」という。本年度始まった「ふくやまピース・ラボ」にも参加。福山海軍航空隊など古里の戦争史を調査し、12月に市内であったふくやま人権・平和フェスタで発表した。今夏はオーストラリアの学校に1カ月留学し、8月6日にクラスメートに広島、長崎原爆の概略を英語で発表した。

 「戦争の形は時代によって変わっていると思う。若い世代が主体的に未来の戦争を防ぐ方法を考えたい」と木奈美さん。同資料館は「ともに自発的に動いている。家庭でもよく語り合っているようで相乗効果もみえる」と活躍に期待している。

(2015年12月21日朝刊掲載)

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