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水道資料館 保存支援へ 広島・被爆建物 厚労省、市に2000万円

 厚生労働省が2016年度に始める被爆建物の保存支援で、広島市東区の市水道資料館と、長崎市の旧城山国民学校(現城山小)校舎を対象にする方針を固めたことが21日、分かった。保存工事のための両市への補助各2千万円を、24日に閣議決定する16年度予算案に盛り込む。

 市水道資料館は1924年、2階建て送水ポンプ室として建築。爆心地から約2・8キロにあり、爆風で窓枠などに被害を受けた。85年に資料館に改修。被爆当日のポンプ運転日誌などを展示し、職員が負傷をおして市民へ水を届けた「不断水」の歴史を伝えてきた。

 市水道局が2014年3月から耐震化の調査・工事を進めており、休館中。16年度の本格工事に向け、厚労省が支援方針を決めたとみられる。

 城山国民学校は爆心地から約500メートルにあり、学校にいた教職員らが亡くなった。現在は、被害を伝える展示施設として多くの修学旅行生が訪れている。

 被爆建物の保存支援は原爆の惨禍を後世に伝えるのが目的。広島、長崎両市が登録している被爆建物を対象に、1件2千万円を上限に費用の3分の2を補助する。(水川恭輔)

(2015年12月22日朝刊掲載)

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