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被爆天主堂模型 平和訴え 安田女子大生 3Dプリンターで制作 長崎に贈る

 安田女子大(広島市安佐南区)の3年生3人が、原爆で倒壊した長崎市の旧浦上天主堂の模型を3Dプリンターで作った。被爆前と倒壊後の2種類で、平和を訴えるために活用してほしいと、浦上天主堂に贈った。(柳本真宏)

 石こう製の模型はいずれも実物の200分の1程度の大きさで、倒壊前が高さ約10センチ、わずかな壁しかない倒壊後が同約5センチ。現代ビジネス学部の染岡慎一教授(57)のゼミで学ぶ田村早紀さん(21)、原田彩加さん(20)、矢野真美さん(20)が8月から制作に取り組んだ。

 現在の天主堂は1959年に再建。写真や絵はがきから倒壊前の大きさや色を推測し、9月には現地を訪れ、情報を集めた。天主堂には約300分の1のプラスチック製を含む計四つを寄贈。天主堂は近くの司祭館の応接室に置いた。

 染岡教授と学生は3Dプリンターで原爆ドーム(広島市中区)の模型も制作。天主堂のプラスチック製のデータは9月からホームページで公開し、3Dプリンターがあれば制作できる。原田さんは「倒壊前と倒壊後の姿を立体的に比べてもらい、原爆の悲惨さを感じてほしい」と話していた。

(2015年12月23日朝刊掲載)

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