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艦載機移転585億円 岩国基地 施設大半が完成

 政府予算案で、2017年ごろまでを予定する米海兵隊岩国基地(岩国市)の空母艦載機移転については約585億4400万円(契約ベース)が盛り込まれた。移転に必要な施設の工事発注の増加で過去最高の1千億円超となった15年度当初に比べ、4割減。施設の大半が16年度末までに完成し、在日米軍再編の準備は確実に進む。

 岩国基地には、米海軍厚木基地(神奈川県)から艦載機59機と隊員や家族約3800人が移る。予算案の内訳は、基地内での上級下士官宿舎の新築工事や、市中心部の愛宕山地区での家族住宅約130戸と警衛施設の整備など。

 市民と共同利用する愛宕山地区の野球場や基地内外で計1060戸を計画する家族住宅の大半は、16年度末までに完成する見通し。

 また、再編に伴い基地負担が増える都道府県を対象に、15年度に新設した交付金は20億円を計上。「移転に向け施設整備が進んでいる」(防衛省)ため、15年度比1億4800万円増とした。20億円全額を山口県に交付する。

 同省は、県が要望している交付期限(2年間)の延長について「再編に関する特別措置法の終了期限に合わせ、16年度で交付を終える予定」との見解を示している。(野田華奈子)

(2015年12月25日朝刊掲載)

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