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高宮被爆者の会解散へ 安芸高田 有志ら新団体で継続

 安芸高田市高宮町の被爆者でつくる高宮町原爆被爆者友の会が、来年3月で解散する方針を決めた。高齢化による会員の減少に歯止めがかからず、存続は困難と判断。今後、有志を中心に新団体をつくり、活動は継続していくという。

 同会は2001年に発足し、平和を願う記念碑を作って慰霊祭を開いてきた。当初約190人いた会員も、現在は約100人に減少。会主催の慰霊祭もここ数年は開いていない。

 9月下旬から10月下旬にかけて、会員を対象に今後の運営について意向調査を実施。65%が退会の意思を示したことから、11月中旬の役員会で解散を決めた。また、存続を望む会員が中心となり、被爆2世たちも参加できる新団体をつくり、活動を継続していく方針も合わせて確認した。

 同会の玉井正美会長(84)は「高齢化で会員が総会に出席するのも困難な状況となり、限界を感じた。核廃絶の願いを新団体へバトンタッチしたい」と話す。

 同市ではことし、甲田町と八千代町の被爆者団体が相次ぎ解散している。広島県被団協の坪井直理事長(90)は「熱心に活動してくれたが、高齢化には勝てない。被爆者だけでなく、多くの人が平和を考える会とし継承してほしい」と話している。(山成耕太)

(2015年12月27日朝刊掲載)

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