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岩国市議「国に対策求めて」 F35配備 市長が条件付き容認 

本会議 反対決議案は否決

 岩国市の福田良彦市長が、最新鋭ステルス戦闘機F35Bの米海兵隊岩国基地への配備について、条件付きで容認すると表明した20日の市議会本会議。市議からは「安全対策を国に強く求めてほしい」との意見や、「安全性が確認されておらず時期尚早」などと対応を疑問視する声が交錯した。(馬上稔子、佐藤正明)

 福田市長は「国が誠意ある対応をしなければ、受け入れの留保を解除できない。見合わせもあり得る」と強調。安心安全対策や地域振興策などの支援を国に求めるとした。議員からは「しっかり担保を取り判断してほしい」と、国に対し強い姿勢で臨むよう要望が出た。

 一方、国が説明した出火事故の原因について、「不具合の内容が具体的に示されておらず納得いかない」との不満の声も出た。日米地位協定の見直しを訴えるよう求める意見に対し、福田市長は「地位協定の抜本的見直しについては改めていろいろな場で発言したい」と答えた。

 情報伝達の在り方について、一報が市長に直接届く仕組みはつくれないかとの質問もあった。市長は19日に岩国基地のリチャード・ファースト司令官たちと会談し、情報交換の継続を確認したと説明。国側とも迅速な伝達手段の検討を進める方針を示した。

 議員からはF35Bの岩国基地配備に反対する決議案も提出された。賛成、反対双方からの討論があったが、賛成少数で否決された。

 岩国基地の機能強化に反対する市民団体「瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク」はこの日、事故調査報告が出るまでF35Bの同基地配備の可否判断をしないよう求める村岡嗣政山口県知事宛ての申し入れ書を県に提出した。同ネットワークの久米慶典顧問(60)は「今のままでは十分な安全対策が進まない。拙速に過ぎる」と懸念を示した。

米軍再編問題で基地対策特別委 岩国市議会閉会

 岩国市議会は20日、本会議を開き、在日米軍再編に関する問題を調査する基地対策特別委員会を設置した。

 同特別委は10人で構成。提案議員は「基地に関する負担は大きな問題。関係自治体や市民への安心安全面の負担は払拭(ふっしょく)されていない」と説明。国の施策に対する市の対応などについて調査する。委員長に貴船斉氏、副委員長に藤本泰也氏を選んだ。

 市議会はこのほか、2016年度一般会計補正予算案など31議案を原案通り可決し、閉会した。

(2016年12月21日朝刊掲載)

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