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郷田被爆者の会が解散 東広島 高齢化 会員減り42人

 東広島市西条町の郷田地区原爆被害者の会が、会員の高齢化を理由に解散した。200人近くいたという会員は、42人にまで減っていた。(森岡恭子)

 同会は年会費500円を集め、亡くなった被爆者に香典を包み、弔意を示してきた。会員の高齢化に伴い、2010年からは会費徴収をやめていた。

 1994年から22年間会長を務めた宮川静登さん(87)によると、今月10日に役員会を開き、会計の残金から会員へ健康祝い金3千円ずつを配ることを決めた。市社会福祉協議会と同地区の夏祭り実行委員会にも約5万円ずつ寄付する。

 役員が健康祝いを配るため会員宅を訪ねたところ、会費徴収をやめてからの7年間で、10人が亡くなっていたと新たに分かった。宮川さんは「年齢には勝てない。断腸の思いで解散した」と話す。

 宮川さんによると、同会は、市原爆被害者の会西条支部を構成していた10地区団体のうちの一つ。10地区の大半が解散か自然消滅の状態で、支部長も不在となっている。

 市内では市原爆被害者の会の活動も低迷し、ことしは市全体での慰霊式を開けなかった。被爆2世で同会事務局を担う鈴木利宏さん(57)は「役員のなり手がいないのが問題。市内の大半の組織が会長不在や休止状態で、活動実態が把握できない」と話している。

(2016年12月27日朝刊掲載)

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