×

ニュース

資料館本館下 被爆前の営み 出土品 21日から展示

 広島市は21日から、原爆資料館(中区)本館下の調査で発掘された出土品の一部を、資料館東館に展示する。原爆投下前は繁華街だった旧中島地区の生活をうかがわせる日用品や、被害の大きさを伝える資料など約30点。来年3月までを予定する。無料。

 1階情報コーナーの特設スペースに展示。ビー玉や万年筆、髪留めといった被爆前の資料と、原爆の熱で溶けた牛乳瓶や変色した碁石などを並べる。やはり発掘調査で見つかった被爆時の地表面もすでに同コーナーで公開している。

 市は本館の免震工事を前に、地中の遺構を記録するため2015年11月から今年3月まで発掘調査。専用コンテナ(縦63センチ、横44センチ、高さ10センチ)約千箱分の出土品があった。

 発掘調査は、途中で江戸時代の地層も調査範囲に加えるなどし、想定より1年延びた。出土品の分析は4月から市文化財団が進めており、本年度末まで続く見通しだが、市平和推進課は「調査に時間を要したこともあり、分析途中で公開する。被爆前に営まれていた日常生活を感じてほしい」としている。(城戸良彰)

(2017年12月19日朝刊掲載)

年別アーカイブ