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[イワクニ 地域と米軍基地] 低空飛行 北広島で撮影 激しい騒音 住民不安高まる

 広島県北広島町八幡地区で、低空飛行訓練中とみられる米軍機を住民が動画撮影した。米軍岩国基地(岩国市)の海兵隊機の可能性が高い。15日の撮影で、付近では当時、最大106・6デシベルの激しい騒音を計測した。町と広島県は国に対し、米側に事実確認するよう要請。同地区を中心に町上空では最近、米軍機とみられる機体の目撃が相次いでおり、住民に不安の声が高まっている。(山田太一)

 撮影したのは同町の八幡郵便局長の高木茂さん(63)。15日午前10時40分ごろから約30分間、郵便局前の上空で2機が約1分間隔で飛行し、急上昇して飛び去る動きを数回繰り返した。

 八幡地区は西中国山地の米軍の訓練空域「エリア567」の下にある。同町での本年度上半期(4~9月)の目撃情報は874件と上半期では過去10年で最多で、北朝鮮情勢の影響で増加しているとみられている。高木さんは「会話できないほどうるさかった。あんなに速い速度での訓練を見たのは初めて。八幡地区を目標に攻撃訓練しているようで怖かった」と言う。

 郵便局から約500メートル離れた町八幡出張所の騒音測定器では、同じ時間帯に最大106・6デシベルを記録。「電車が通る時のガード下」に相当する100デシベル超えは3回あった。

 米軍機は複数の住民が目撃した。郵便局の南約4キロにある聖湖近くでは、自営業藤原俊二さん(53)=同町=が午前10時50分ごろに写真を撮影。画像から岩国基地の海兵隊のFA18ホーネット戦闘攻撃機とみられる。郵便局近くの自宅で爆音を聞いた藤原さんの妻寿子(かずこ)さん(53)は「もし部品のようなものが落ちてきたら防ぎようがない。不安だ」と話した。

 島根県境にある八幡地区は田畑の中に診療所や民家、店舗が点在し約300人が暮らす。中国四国防衛局は、岩国基地に事実関係を確認するとした上で「地域住民に与える影響を最小限にとどめるように働き掛ける」としている。

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(2017年12月23日朝刊掲載)

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