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被爆看護生 腕章と対面 中区 赤十字病院展で上野さん

 原爆資料館(広島市中区)で開催中の特別展「広島赤十字病院」に資料を寄せた被爆者の上野照子さん(88)=西区=が13日、会場を訪れた。看護学生だった当時に身に着けていた腕章と対面し、懸命に負傷者を手当てした当時を思い起こした。

 当時は15歳で、爆心地から1・5キロの千田町(現中区)にあった同病院(現広島赤十字・原爆病院)の救護看護婦養成所2年生だった。敷地内の寄宿舎で被爆し、その後はけが人の救護に追われた。

 会場では、自らが寄せた赤十字の腕章などの資料や、救護の様子を捉えた写真などを見て回った。「助けを求める友達の声が今も聞こえる。薬も満足にはない状態だった」と振り返った。

 長女で国際平和交流活動に取り組むNPO法人理事長の渡部朋子さん(65)=安佐南区、同理事で孫の久仁子さん(38)=同=たちも同行した。久仁子さんは「惨状を生き延びた少女の人生の先に、自分がいると実感できた」と話した。(明知隼二)

(2018年12月14日朝刊掲載)

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