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「被爆者の思いつなげる」 東京 継承テーマに市民ら交流

 被爆者の証言や運動の記録を収集、保管するNPO法人ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会(東京)は15日、同様の活動に取り組む人たちの交流イベントを、東京都練馬区の武蔵大で開いた。被爆者や学生、市民たち約70人が参加した。

 活動報告では個人、団体計4組が登壇。奈良市の入谷方直さん(45)=広島市中区出身=は、仏像を修復する仕事をしながら、2006年に解散した奈良県の被爆者団体の資料を独自に集めてきた経緯を紹介し、「記録を保管し、被爆者の声、平和への思いを未来につなげたい」と語った。生協の協力を得て、奈良市内に保存展示室を来夏にも開設する準備を進めているという。

 続いて参加者がグループに分かれ、活動の意義や課題を話し合った。継承する会の事務局メンバーで広島の胎内被爆者の浜住治郎さん(72)は「核抑止論を乗り越え、核廃絶を実現するために、被爆者運動の歩み、戦いの記録に学びたい」と強調。同会の資料を保管、公開する施設の東京都内への設置を目指していると説明し、理解と支援を求めた。(田中美千子)

(2018年12月16日朝刊掲載)

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