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若者主体 平和の集い 広島市が検討 来夏以降

 広島市は9日、被爆75年となる2020年度の夏以降、夜の平和記念公園(中区)で、若者が主体となって慰霊や平和発信の集いを開く事業を検討する方針を明らかにした。被爆者の高齢化が進む中、核兵器廃絶の願いを次世代に継承する狙いで、企画の立案や運営も若者に担ってもらう。

 市議会一般質問で、市民連合の山本昌宏氏(西区)の質問に市民局の政氏昭夫局長が答弁した。

 市は11月24日夜に同公園であったローマ教皇の平和のための集いから着想を得た。政氏局長は「静寂で厳かな雰囲気の夜の公園を使った事業。若い世代が主体的に企画運営し、広島の心が次世代に継承されるような取り組みが、徐々に大きくなっていく仕組みを検討したい」と述べた。

 開催時期は未定。8月6日、9日の広島、長崎両市の原爆の日よりも後で、日没時間も踏まえ検討する。

 企画や運営は主に大学生が担い、中高生も参加するとの想定。次年度以降も継続的に開いて徐々に規模を広げ、将来的には海外の若者の参加も見据える。

 20年は東京五輪・パラリンピックもあり、市は東京都内で原爆展を開いたり、各国選手団が被爆の実態を学べるプログラムを提供したりする方針を示している。(明知隼二)

(2019年12月10日朝刊掲載)

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