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[2020岩国市長選] 19日告示 現新一騎打ちへ 基地問題など争点

 任期満了に伴う岩国市長選が19日、告示される。いずれも無所属で4選を目指す現職の福田良彦氏(49)=自民、公明推薦=と新人で共産党県東部地区委員長の米重政彦氏(63)=共産、社民推薦=が立候補を予定している。在日米軍再編に伴う岩国基地への空母艦載機移転後初の市長選。騒音など基地問題の対応が争点の一つとなる。26日に投開票される。(松本恭治)

 福田氏は、作成を主導した市総合計画(2015~22年度)の中で「基地との共存」を掲げ、基地の存在を国際交流や英語教育の推進に生かす姿勢を示す。集会では基地関連の交付金を充てた子育て支援策などの実績をPRする。

 防音工事の助成対象を事務所・店舗に拡大するよう国に求め、公約の一つに掲げた。21年度に期限を迎える再編交付金の延長も国に要望。前回16年の市長選に続いて連合山口の推薦も受けて浸透を図る。

 米重氏は、艦載機移転を容認した現職との対決姿勢を鮮明にする。騒音被害や市街地上空の飛行、米海兵隊の戦闘機部隊で発覚した規則違反の横行などを巡る現市政の対応を批判。市独自の主体的な基地対策の必要性を強調する。

 「基地依存をやめ、自立した市政に転換しよう」をスローガンに、基地関連の財源に頼らない市政運営を目指す。政策協定を結ぶ市民団体の全面的なバックアップを受け、諸派の新社会党の推薦も得た。

 市長選では基地問題に加え、18年の西日本豪雨などを踏まえた防災減災対策や人口減少を見据えたまちづくりなども重要な論点となる。

 前回投票率は47・49%と06年の新市発足以降で最低。選挙権年齢が18歳以上に引き下げられて初の市長選となる中、投票率の行方も注目される。

(2020年1月18日朝刊掲載)

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