×

ニュース

米の大学生 ヒロシマ取材 被爆者らの発信探る

 広島の被爆者や市民団体がどのように平和活動に力を注ぎ、核兵器廃絶を地域社会から発信しているかを探ろうと、米国の大学生2人が広島市内に1週間ほど滞在して約20人のインタビューを重ねた。

 東部ペンシルベニア州のスワースモア大3年アレッサンドロ・ゲッツェルさん(21)と、2年ジュリアン・ディングさん(19)。16日には中区のソーシャルブックカフェ「ハチドリ舎」店主の安彦恵里香さんから聞き取りをした。

 安彦さんは、被爆者をカフェに招いて来店者と交流してもらう取り組みや、地元選出の国会議員と面会して核兵器禁止条約への賛同を求める若者グループ「カクワカ広島」の活動を紹介。ゲッツェルさんは「若者の参加をさらに増やす工夫は」「被爆者なき時代が来たら原爆被害をどう伝えていくのか」などと質問した。

 また、被爆者の小倉桂子さん(82)の体験を聞いたり、国際交流を推進するNPO法人ワールド・フレンドシップ・センター(西区)を訪れたりした。

 広島滞在は「平和における社会革新」という授業の一環。他の学生は北アイルランドやコロンビアを訪問し、戦争や紛争を経た地域の市民や団体が平和のために実践していることなどを調査している。

 2人は7月に広島を再訪し、授業の成果を踏まえた活動を企画するという。ディングさんは「広島の人たちが核兵器を人類の問題として考え、世界に広く伝えようとしていることが分かった。私たちもその一端を担いたい」と語った。(新山京子)

(2020年1月27日朝刊掲載)

年別アーカイブ