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核廃絶や共生を強調 広島市 基本計画の素案公開

 広島市は市の将来像を示した市基本構想と第6次市基本計画の素案をまとめた。昨年7月にまとめた「たたき台」に市議会などの意見を反映させ、核兵器廃絶や世界恒久平和の実現、増加する外国人たちとの共生に向けた取り組みを強調した。市ホームページや各区役所などで公開しており、2月14日まで市民の意見を募っている。

 基本計画の素案は2020年度から10年間を期間としている。基本構想素案で最高目標に掲げた、国際平和文化都市の実現のため、世界に輝く平和のまち▽国際的に開かれた活力あるまち▽文化が息づき豊かな人間性を育むまち―の3分野ごとに計133項目の基本方針を掲げている。

 基本方針では、核兵器を巡る世界情勢を「被爆地の願いから逆行する形で不透明な状況」と言及。核兵器禁止条約の早期発効のため、平和首長会議の加盟都市の拡大や、核兵器廃絶を願う「ヒロシマの心」を発信することで国際世論の醸成を図るとした。

 また、障害者や外国人、性的少数者(LGBT)に対する「偏見や差別など人権問題が存在している」とも指摘。障害の有無や人種、性自認などに関わりなく多様性を認め合う取り組みを進めるとした。

 市は今後、市民や市議会、有識者でつくる市総合計画審議会の意見を踏まえて成案とし、6月をめどに市議会の議決を経て決定する。(永山啓一)

(2020年1月27日朝刊掲載)

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