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核廃絶世界大会が中止 米で来月予定 再検討会議危ぶむ声

 4月に米ニューヨークの国連本部である核拡散防止条約(NPT)再検討会議の直前に、国際非政府組織(NGO)が現地で開催を計画していた核兵器廃絶の世界大会が、新型コロナウイルス感染症の影響で中止されたことが12日、分かった。国連は国際会議を延期するなど対応を強めており、再検討会議についても予定通りの開催を危ぶむ声が出ている。

 中止された世界大会は、国際平和ビューロー(本部・ドイツ)などの提案で、4月24、25の両日に現地で開かれる予定だった。日本原水協、原水禁国民会議、日本被団協の日本の3団体を含む約20団体の代表者たちが呼び掛け人として名を連ねていた。26日にはデモ行進も予定していた。

 関係者によると、各団体の代表者たちが11日の電話会議で、世界大会とデモ行進の中止を決めた。国連は3~4月の国際会議を相次いで延期し、本部への部外者の入場を原則禁止している。ニューヨーク州も非常事態を宣言するなど、現地で感染拡大を防ぐ対策が強まっているのを踏まえた。

 5年に1度のNPT再検討会議は4月27日~5月22日に予定される。ことしは発効50年の節目だが、有識者からは延期を求める声も出ているという。出席を予定する広島県被団協(坪井直理事長)の箕牧(みまき)智之理事長代行(77)は「現地での証言のために絵や写真も準備している。予定通り開かれてほしい」と願った。(明知隼二)

(2020年3月13日朝刊掲載)

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