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NPT会議派遣を中止 日本被団協 「原爆展」 時期変更検討

 日本被団協は16日、新型コロナウイルスの世界的大流行を受け、4~5月に核拡散防止条約(NPT)再検討会議が開かれる米ニューヨークへの代表団派遣を中止すると発表した。国連本部で予定した「原爆展」は、時期をずらしての開催を検討している。

 被団協は文書で「高齢で持病を抱えた被爆者を多数含む代表団の派遣が困難になった」と説明。「誠に残念だが、人々の命を守るための決断」としている。

 再検討会議は新型コロナウイルスの感染拡大により開幕の1年延期が濃厚となっている。その場合の代表団派遣について被団協は「改めて検討する」という。原爆展については、パネル製作を今後も続ける方針で、「開催時期の変更の可能性を含め、国連側と協議を進める」としている。

 被団協は5年に1度開かれる再検討会議に合わせて2005年以降、代表団を送ってきた。NPT発効50年の節目に当たる今年は4月25日~5月3日、被爆者ら約50人を派遣し、核兵器廃絶を求める署名の提出、被爆体験の証言活動、各国政府代表への要請などを計画していた。(河野揚)

(2020年3月17日朝刊掲載)

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