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シュモー氏の絵本 英訳 「学ぶ会」出版 「海外に功績伝える」

 原爆で家を失った市民のため広島市内で住宅を建設した米国の平和活動家フロイド・シュモー氏(1895~2001年)を紹介した絵本「シュモーおじさん」に英訳を併記した改訂版が刊行された。市民団体「シュモーに学ぶ会」が自費出版した。

 原爆被害を知り衝撃を受けたシュモー氏が「みんなが住めるお家を建てよう」と思い立ち、一人で準備を開始。さまざまな国の人の協力により完成した家で、人々が平和について考えた―というストーリーだ。

 同会は16年、前代表の故今田洋子さんが中心となって日本語版を出版。翌年に病気で死去した今田さんの思いを継ぎ、西村宏子代表たち6人が「国籍関係なく愛を持って市民に接した人のことを海外に伝えよう」と日英併記の改訂版を制作した。シュモー氏の作業風景などを捉えた写真4枚も新たに載せた。

 シュモー氏は1949年に原爆投下国から復興途上の広島を訪問。活動に共感する若者らと江波二本松(現中区)などに「広島の家」計21棟を建設した。うち集会所だった1棟は現在、原爆資料館の付属展示施設「シュモーハウス」として残る。西村代表は「絵本を通して、シュモーさんの『平和はみんなで創るもの』という思いを多くの人と共有したい」と語る。

 A4判、32ページ。1300円。中区の原爆資料館ミュージアムショップ、シュモーハウス近くの江波山気象館で販売している。同会figjam.fs@gmail.com(新山京子)

(2020年3月23日朝刊掲載)

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