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NPT会議 派遣中止 平和首長会議 延期濃厚 渡米困難 新型コロナ

 新型コロナウイルス感染症の拡大で、米ニューヨークの国連本部で4月下旬から開催予定だった核拡散防止条約(NPT)再検討会議の延期が濃厚になったとして、平和首長会議(会長・松井一実広島市長)は24日、再検討会議への派遣団を中止すると決めた。

 派遣団には、松井市長や副会長の田上富久・長崎市長、広島県内4高校の1~3年の生徒計8人たちが参加する予定だった。松井市長は「NPT体制の下で核軍縮を進める重要性を訴える場や、高校生の発信の場が失われ、大変残念。機会があらためて確保されるのを願う」とコメントした。

 再検討会議の延期は正式決定していないものの、関係国が1年を念頭に調整を進めている。米国が国家非常事態を宣言し、日本政府も不要不急の渡航の取りやめを呼び掛けているため、渡米は困難と判断した。

 平和首長会議は現地で、両市長による演説や各国の政府代表との面会、主催する関連イベントでの高校生による活動報告などを予定していた。日本被団協(東京)も既に、代表団の派遣を中止している。

 再検討会議は、核軍縮の道筋を探るため5年に1度開かれ、今回は4月27日~5月22日に予定。加盟約190カ国の外交団のほか、被爆者や国内外の市民団体など多数が参加する見通しだった。(明知隼二)

(2020年3月25日朝刊掲載)

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