×

ニュース

日本が橋渡し役 決意 岸田氏「人命第一 やむを得ず」

 自民党の岸田文雄政調会長(広島1区)は、新型コロナウイルスの感染拡大で核拡散防止条約(NPT)再検討会議の1年延期が濃厚となっていることに「人命第一でやむを得ない」との見解を示した。その上で核保有国と非保有国の橋渡しを日本が果たすよう、自らが重要な役割を担う決意を示した。NPT発効50年にあたり、中国新聞のインタビューに答えた。

 5年に1度の再検討会議は米ニューヨークの国連本部で4月27日開会する方向で準備が進んできた。

 前回会議の外相だった岸田氏は「核軍縮・不拡散の論議で大きな意味を持つ。ましてや被爆75年、NPT発効50年の節目。今年の開催は注目されていた」と指摘。その上で「人命や安全第一で、延期の判断があってもやむを得ない部分もある。感染拡大が一日も早く収束し、会議が開かれることを心から願う」とした。

 過去3回連続で現地に代表団を送ってきた日本被団協は派遣中止を決定。被爆者の高齢化が進んでおり、来年開催なら訪問団参加が体調面で難しくなる人も出てくる、と関係者はみる。

 岸田氏は「被爆者にとって一年一年は大変重たい。核なき世界は簡単にたどり着ける目標ではないが、唯一の戦争被爆国である日本が核保有国と非保有国の橋渡しをするべく、具体的なビジョンを示さなければならない」とし、その実現に向けて中心的な役割を果たしていく考えを強調した。(下久保聖司)

(2020年3月27日朝刊掲載)

年別アーカイブ