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ドームでレツルの功績 生誕140周年 広島大のグループ、動画配信

 原爆ドームの前身、県物産陳列館を設計したチェコ出身の建築家ヤン・レツル(1880~1925年)の生誕140周年を記念したイベントが9日、広島市中区のドーム一帯であった。海外の大学に原爆瓦を贈る活動を続ける「広島大学原爆瓦発送之会」が、レツルの誕生日に合わせて企画した。

 イベントはドーム前に参加者を集めて開く予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて動画をライブ配信する形式に変更。同会会長で同大研究員の嘉陽礼文さん(41)が感染拡大の現状を踏まえ、顔全体を覆うフェースシールドをしてレツルの功績を説明した。

 肖像写真などのパネルを示しながら、生い立ちや生前に手掛けた建物を解説。「交通網が整備されていない時代に情熱を持って来日し、重厚な欧風建築を残した」とたたえた。ドーム周辺を歩き、建物の特徴も紹介した。

 終了後、嘉陽さんは「ドームを通し、建築に関わった人や、市民の憩いの場を奪った原爆の悲惨さに思いをはせてほしい」と話していた。(田中美千子)

(2020年4月10日朝刊掲載)

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