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萩に配備「適地」は妥当 地上イージス 国調査に市有識者会議

 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備計画を巡り、候補地の萩市が独自に設置した有識者会議は28日、同市を「適地」とした防衛省の調査をおおむね「妥当」と結論づけた。今後は報告書にまとめ、配備の是非の判断材料とする藤道健二市長に提出する。

 冒頭以外は非公開のウェブ会議。市によると、委員からは医療機器への電波の影響について対策の強化や文言の修正などを求める意見はあったが、「適地」の調査結果には大きな異論はなかったという。

 会議は今年1月に設置され、電磁波や地盤工学、水環境の専門家の5人を委員に検証作業を続けた。会議後、座長の中央大の山田正教授(水文学)は「おおむねの結論を得た」とコメント。今後は事務局が各委員と個別にやりとりして報告書をまとめる。藤道市長への提出時期は未定とした。

 防衛省は昨年5月、地上イージス2基の配備候補地として陸上自衛隊のむつみ演習場(萩市、山口県阿武町)と新屋演習場(秋田市)が「適地」との判断を示した。新屋演習場を適地とした調査結果で数値ミスなどが相次ぎ発覚。山口でも演習場北の高台の標高にずれがあり、国が再調査した結果を萩市が独自に検証してきた。

 地上イージスの配備計画を巡っては政府が地元の反対で新屋演習場への配備を断念。新たな候補地として秋田県内の国有地を軸に選定する調整に入っている。(渡辺裕明)

(2020年5月29日朝刊掲載)

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