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「観覧料」表記 10月めど変更 広島の原爆資料館

 広島市は25日、原爆資料館(中区)の常設展示で入館者に払ってもらう「観覧料」の表記を見直す時期について、10月をめどにしていると明らかにした。1955年の開館当時から使ってきたが、被爆者や市民から「娯楽性を感じる」などの指摘が相次ぎ、改める時期などを詰めていた。

 資料館は東館1階の総合案内や入り口のガラス扉、チケット、パンフレットなどに、料金案内として「観覧料」と印字している。ただ、この表現に違和感を抱く被爆者や市民は少なくなく、市には「娯楽性を感じる」「ふさわしくない」などの声が寄せられていた。

 このため市は、観覧料との呼び方を使わないようにすると決定。館内の一部の展示室などは無料で入館できるため「入館料」の表記は使いにくいとして、文章による説明に切り替える方針を打ち出していた。

 市議会はこの日の本会議で、観覧料の表記の変更を求める陳情を全会一致で採択した。市内の被爆者たちが昨年10月、「残酷で悲惨な惨状を目にする場にふさわしくない。誤解や曲解を招かないためにも変更するべきだ」と提出していた。(加納亜弥、明知隼二)

(2020年6月26日朝刊掲載)

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