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核禁条約 署名・批准を 広島被爆者7団体 8・6 政府へ要望

 広島の被爆者7団体は29日、今年の原爆の日に日本政府へ要望する内容に、核兵器禁止条約への署名・批准を盛り込むと決めた。被爆75年の節目を迎え、依然として条約に背を向けている日本政府の姿勢を変えることが最重要課題と位置付け、4年連続で訴える。

 市役所で開いた会合で合意した。8月6日に市が主催する「被爆者代表から要望を聞く会」で、7団体の総意として説く。広島県被団協(坪井直理事長)の箕牧(みまき)智之理事長代行(78)は「被爆者が減る中、節目となる今年の訴えは特に重要だ。安倍晋三首相の心を動かす言葉を届けたい」と強調した。

 会合には、欠席した広島被爆者団体連絡会議を除く6団体の代表者計10人が出席した。協議は一部非公開で、出席者によると、安倍首相の出席を念頭に「批准まで訴え続けよう」「各団体共通の思いだ」などの意見が出たという。

 各団体の要望では県被団協が、保存を巡り議論が続く市内最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」の全4棟保存などを訴えると報告した。もう一つの県被団協(佐久間邦彦理事長)は、昨年に引き続き「黒い雨」の指定地域拡大などを迫る。

 佐久間理事長(75)は「新型コロナウイルス対策のように、世界全体で核兵器の廃絶に向かわなければならない。被爆者全員の思いとして伝えたい」と話した。(新山京子)

(2020年6月30日朝刊掲載)

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