中国新聞オンライン
中国新聞 購読・試読のお申し込み
サイト内検索
中国新聞トップ > みんなのカープ > ニュース
カープに関する意見や提案をお寄せください。carp@chugoku-np.co.jp

街と一体 コイの道
新球場に近づくほど「赤」濃く

2009.1.27

Photo
赤が濃さを増し、新球場(左奥)に近づく大州通りの歩道。外周道路に入ると、よりカラフルになる(広島市南区)

歩道のカラー舗装工事着々

 新広島市民球場(広島市南区)で広島東洋カープに声援を送るファンの気持ちを高揚させようと、市はオープンを前にカラー舗装の工夫をこらしている。JR広島駅から向かう歩道は球場に近づくほどチームカラーの「赤」が濃さを増す―などのユニークな仕掛け。完成する3月末に向けて工事を進めている。

 広島市立大に球場周辺の舗装のデザインの検討を依頼。非常勤助教の中村圭さん(33)ら4人のグループが主要コースの舗装に赤を多用し、球場と街の一体感を演出するプロジェクト「カープ・ストリーム」を提案し、市が採用した。

 広島駅から球場までの徒歩による2つの主要ルートのうち、南側の大州通りは約900メートルの距離。駅近くは水面をイメージしたグレーが歩道の色の基調だが、球場に近づくにつれて、赤やオレンジなど赤系統の色が増えるようにする。

地図

 市道路課は「路面の色の濃さで球場までの距離も分かり、道しるべにもなる」。もう一つのルートである市道約600メートルに新設する歩道も赤くする。

 カラー舗装のアイデアには、もう一つの狙いがある。同大のグループは空撮写真を分析。球場を魚の「目玉」に見立てると、駅から球場一帯にかけての道路のラインをつなげば、体長約一キロの大きなコイのようにも見えることを知った。

 球場周辺の歩道で赤い舗装を進める発想もそこから生まれた。コイの「頭」の部分になる球場の外周道路の歩道は赤、オレンジ、黒、水色などのブロックを使い、色鮮やかなコイが集まってくる様子を表現するという。

 カラー舗装は部分的のため完成後、上空から実際にコイの形に見えるわけではない。メンバーの一人で同大協力研究員の桜井友子さん(30)は「チームカラーの赤い帽子や服を着た人の波も合わせると、球場を中心にした巨大な赤いコイになるはず」と想像し、球場完成を心待ちにする。(久行大輝)