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カープファン帳 再登板
30周年機に広島市中区の喫茶店

2009.2.5

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カープノートのメッセージを笑顔で読む敬太郎さん(右)と紀子さん

 開業30周年を迎えた喫茶店「茶房カープファン」(広島市中区中町)が、かつて来店客が広島東洋カープへの熱意をつづり、きずなを結んだ「カープノート」を復活させた。新広島市民球場(南区)とともに新たな交流の歩みを刻む。

 入り口近くの本棚に赤いA4判ノートが置かれている。ページをめくると「大好きなカープを応援していきたい」などファンの文字が躍っている。

 店はカープ元投手の故橋本敬包(のりしげ)さんが1978年に開いた。ノートは当時、常連の学生が持ち込んで始まった。カウンターに置き、現市民球場(中区)からの行き帰りに、お客さんが思いを書き込んだ。

 ノートを介し知り合ったファンが店で出会い、連れだって応援へ繰り出した。文通のように会話する県外のファンもいた。だが、90年代半ば以降、カープの成績が低迷。応援のユニホームを着込んだ若者は減り、20年間続いたノートは自然消滅した。

 店を継ぐ次男敬太郎さん(33)は昨秋の開業30周年を機に、復活を決意した。新球場でのカープの飛躍と、愛着ある現球場近くのにぎわいを守りたい、との思いからだった。

 敬太郎さんは「カープを知らない人も、ここでファンになってくれたら」。敬包さんの妻、紀子さんは「店内にファンの活気を呼び戻したい」と願う。(迫佳恵)