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市民球場を訪ねた高校生と小学生の姉弟を描いた「球場物語」
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広島市民球場(中区)を題材にした自主制作映画4作品の上映会が1日、西区横川新町の区民文化センターであった。1957年の完成から半世紀余り。今秋で閉鎖される市民球場の姿に、観客はそれぞれの思い出を重ねた。
150席はほぼ満席になった。市民が撮影し、演じた「球場物語」は家族の物語。高校生と小学生の姉弟が閉鎖される球場を訪れた後、お好み焼き店に立ち寄るストーリーだ。そこで「市民球場は広島の宝」と語る男性に出会う。その役は、完成当時の建設現場監督が務めた。
広島市立大生9人が制作したドキュメンタリーは元球団職員たちへのインタビューで、戦後復興の希望として誕生した市民球場がつづられる。「街灯もビルも少ない時代。夜空を焦がす照明の明かりがひときわ目立った」との言葉が印象的。代表の芸術学部3年広岡美佐子さん(22)は「撮影を通じて復興の底力を知った」という。
ほかに、サスペンスタッチのドラマと「カープうどん」をテーマにした作品が上映された。球場物語に出演し、鑑賞に訪れた安芸区の松村正熙さん(71)は「完成の時は大学生で客席案内などのアルバイトをした。映像に残ってうれしい」としみじみ語っていた。(武内宏介)
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