広島市は、旧広島市民球場(中区)跡地利用計画の関連費について、18日開会の市議会定例会に提案する補正予算案への計上を見送る。市が11日の記者会見で明らかにした。前回定例会では、計画の具体化を進める費用約1900万円が削除されていた。
市都市活性化局は「3月の予算削除から状況に変化がない。補正予算を出せる状況にない」と説明。一方で、跡地へのビル移転などを計画している広島商工会議所との協議は進めるなど打開策は探る方針という。
跡地利用計画の関連費をめぐり、市議会は前回定例会で市が「計画の具体化について検討する費用」とする部分を削除した。ただ、球場のスタンドを一部保存するための耐震診断や、測量を進める費用は認めており、市は予算化された範囲で「準備を進める」としている。
これに対し、議会側は、秋葉忠利市長の政治姿勢に反発している自民党系の会派を中心に、跡地利用計画への反発を強めている。中でも、折り鶴展示施設(折り鶴ホール)の必要性を疑問視する声は根強く、市長との対立が深刻化している。(滝川裕樹)
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